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乗馬の上達方法

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駈歩での乗馬上達方法2

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ここでは前ページに続いて
駈歩での乗馬上達方法について解説します。

駈歩はそのスピードとうなるような揺れから慣れるまでに多少の時間はかかります。

部班でレッスンをしている乗馬クラブなどでは駈歩の合図を出していないのに、前の馬につられて勝手に駈歩が出てしまうということもあるかもしれません。

もちろん自分で駈歩の合図を送って駈歩を出すというのが望ましいのですが、最初の頃はまずは合図よりも駈歩の揺れやリズムを習得する方が大切ですので、前の馬につられての駈歩でも問題ないと思います。

ただし、走られすぎないように手綱はキチンと使えるようにしましょう。

もし、マンツーマンレッスンができる乗馬クラブでしたら最初は調馬策での練習が効果的です。

合図や手綱の操作には気を取られずに駈歩の揺れのバランス練習だけに専念できます。

調馬策

輪乗りでの駈歩練習

駈歩でのバランス感覚や合図の出し方、駈歩の維持がある程度できるようになったら今度は駈歩での手綱操作を練習しましょう。

駈歩は常歩や速歩に比べスピードが速いので手綱操作の難易度も少し高くなります。

なので最初は輪乗りで練習すると良いでしょう。

と言っても何も考えずに輪乗りをするのではなくあらかじめ決めておかなければいけないポイントが二つあります。

  • どこから輪乗りを始めるか
  • 輪の大きさはどのくらいにするか

この二点です。

これを決めずにあいまいな輪乗りで練習するのとこれを決めてから輪乗り練習をするのとでは成果が大きく変わってくるので必ずこの二つは決めてから行うようにしましょう。

輪乗り

キレイな輪乗りをするためには輪乗り開始地点の数歩手前からの早い準備が必要です。

馬によって曲がりやすい馬と曲がりにくい馬がいるので、その馬の特徴を覚えて輪乗りに入るタイミングをつかみましょう。

輪乗りに入る数歩手前では外方手綱のコンタクトを維持しつつ、内方の脚と内方手綱を使って馬が輪乗りの方向に向くことを確認します。

まだ、この段階での扶助はごく抑えたものにしておきましょう。

輪乗りに入る地点に来たら輪乗りの方向をシッカリと見て内方脚と手綱の扶助を強めます。

このときにありがちなのが外方手綱がゆるくなってしまうことです。

外方手綱がゆるくなりすぎてしまうと外にふくらみやすくなってしまい、自分の思っている輪乗りより大きくなってしまいます。

かといって外方手綱を強くしすぎてもいけないので、馬が屈曲できるだけの余裕は与えておき適度な張りを保っておきましょう。

輪乗りではとにかく外方の手綱が重要だということを忘れないようにしましょう。

輪乗りに入ったら自分の思うようなスピードで正しい角度を維持しながら正確な輪を描けるようにします。

輪乗りの時に馬の後躯が輪乗りのラインからはみだしてくることがあれば腹帯の後方に位置させた外方脚を使い馬の後躯を正しい位置に戻しましょう。

馬によって右回り、左回りの屈曲しやすい向きや屈曲しにくい向きがありますし、人間にとっても回りの得手不得手があると思いますが、輪乗りの大きさや角度は右回り、左回りとも同じように行えるようにしましょう。

もし輪乗りのときに馬が内側にモタれてくるとしたら、馬の重心が内側にかかりすぎているためです。

自転車に乗っているときのことを思い浮かべると、自転車が片方に傾いてくると反対側のペダルに体重をかけてバランスを立て直しますが馬上でも同じで、内側に入り込んでくるとすれば外側の鐙に体重をかけて重心のバランスを変える必要があります。

逆に輪乗りで外にふくらむ場合は外側に重心がかかっているので、内側の鐙に体重をかけることで馬の重心のバランスを立て直しましょう。

【輪乗りのときの拳と脚の使い方】

  • 内方の拳・・・握る→ゆるめるの操作を繰り返し、馬に屈曲することを要求します。軽い操作を維持しておきましょう。
  • 外方の拳・・・適度な張りとコンタクトを維持しておきますが、方向転換を妨げないだけの余裕は与えておかなければいけません。
  • 内方脚・・・通常の位置のままで扶助を送り、自分の思うようなスピードで前進気勢を要求します。それと同時に軽い圧迫を与え方向転換を続けさせます。
  • 外方脚・・・通常の位置よりも後ろ、腹帯の後方あたりに位置させた脚で馬の後躯が外側にブレたり、輪乗りのラインからはみだしてきたら補正します。

馬の外側の肢の二本ともが同一の輪乗りのラインをたどっているようにしましょう。

輪乗りのときの拳と脚の使い方

輪乗り運動は簡単なように見えて実は奥が深く、両方の拳と両方の脚それぞれを上手く使い分けないとキレイな輪乗りのラインを描くことができません。

シッカリと練習しておきましょう。

鐙を脱いでの駈歩

鐙を脱いでの駈歩

常歩や速歩の時と同じく鐙を脱いでの駈歩練習は非常に効果的です。

駈歩に慣れないうちはどうしても脚で馬体にしがみついてバランスを取ってしまいがちです。

しかし、脚でしがみつくと合図が思い通りに送れませんし、身体が硬直してしまい余計に駈歩の揺れを大きく感じて乗りにくくなってしまいます。

そこで、常歩や速歩の時と同じように坐骨でバランスを取る感覚を身につけるために鐙を脱いでの駈歩をするのですが、鐙を脱いでも脚の位置は鐙を履いている時と同じような位置で安定させるようにします。

脚が前に出てきてしまうと上体のバランスも崩れてしまいます。

鐙を脱いでの駈歩は慣れないうちは怖いかもしれませんし、危険も伴います。

なので安全な馬で行うようにし、できれば最初は上で紹介したような調馬策でやってもらうのがベターです。

ツーポイント(前方騎座)での駈歩

駈歩の騎乗方法はこれまでに解説した乗り方(スリーポイント)の他にツーポイントという乗り方もあります。

このイラストのようにお尻を浮かせての乗り方ですね。

この騎乗姿勢はツーポイントという呼び方のほかに、前方騎座という呼び方もあります。

ツーポイント駈歩

これまでの乗り方は坐骨を鞍につけて乗りましたが、このツーポイントの乗り方はお尻を鞍から浮かせて騎乗します。

お尻を浮かせてツーポイントで騎乗することにより、馬の背中の負担が減り前進気勢が増します。

障害飛越やクロスカントリー、外乗、エンデュランス競技などではこのツーポイントでの駈歩姿勢を取る場面が多いです。

競馬の騎手なんかもこのツーポイントで騎乗していますね。

ツーポイントを練習する時はいきなり駈歩で練習すると慣れていないうちはまだまだ不安定なので、まずは常歩、そして常歩で慣れてきたら次は速歩で姿勢の練習をすると良いでしょう。

ツーポイント騎乗をする上での注意点は主に次のような感じです。

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  • 脚の位置が上下左右にブレずになるべく一定の位置で安定している。
  • 膝を柔らかくクッションのように使い、力が抜けている。
  • 鐙に爪先立ちにならず、きちんと踵が下がっている。また鐙が深くなりすぎていない。
  • 背中が曲がりすぎず、猫背になっていない。
  • 脚の力が抜け、ツーポイントの姿勢でも脚の扶助を自由自在に使える。
  • 上体の前傾の姿勢の角度を自分の思うように変えることができる。
  • 手綱と拳に頼ってバランスを取っていない。
  • ツーポイントの姿勢でも手綱を自在に使える。

他にも色々な注意点はあると思いますが、主にこのポイントに注意して騎乗すればキレイなツーポイントの駈歩ができるでしょう。

ツーポイントの駈歩の練習方法としては、ツーポイントの姿勢をとったままでの横木通過や馬上体操などが効果的です。

最初はツーポイントの姿勢のままだとバランスを取るのに精一杯で、どうしても拳や手綱に頼ってバランスを取りがちですが、バランス感覚が身に付いてくるとツーポイントの姿勢のままでも手や脚を自在に動かせることができるようになります。

ツーポイントの姿勢のままで片手を離して馬の首すじを撫でるなどをしていると拳や手綱に頼らずに騎座でバランスを取れるようになってくるはずです。

馬場馬術ではツーポイントはほとんど必要ありませんが、障害やエンデュランス、または外乗などをしようと思う人はこの騎乗方法を是非とも練習しておくべきでしょう。

最初はバランスを取るのに苦労すると思いますが、ツーポイントのバランス感覚が身に付けばスリーポイントよりも駈歩の振動を受けにくいので快適で乗りやすいと思います。

2ページに渡って駈歩での乗馬上達方法を解説してきましたが、大事なのは自分に合った練習方法を見つけること。そして何よりも馬に乗ることを楽しむことです。

乗馬を続けていると上手くいかないときもあり落ち込むこともあると思いますが、そんな時こそ馬に乗るのを楽しむ気持ちを持ちましょう。

そうすれば必ず上達し、楽しい乗馬ライフが送れるでしょう♪

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最後まで読んでくれてありがとう!
乗馬の上達方法」のページはまたこれ
からも追加していくのでお楽しみに♪