中間種は軽種と重種の中間の品種で、主に乗用馬や馬術競技用などから馬車を引く馬まで用途に合わせて様々な品種があり、馬場馬術用、障害飛越用、ウエスタン乗馬用などその品種の目的に合わせて選別し育成されています。
特徴としては軽種に比べると大人しくて従順な馬が多く、丈夫な馬も多いのが特徴です。
走るスピードでは軽種には敵いませんが、その温厚な性格から乗用馬として非常に優れており馬術競技などを中心に活躍しています。
ここでは中間種の代表的な品種をご紹介します。
中間種は軽種と重種の中間の品種で、主に乗用馬や馬術競技用などから馬車を引く馬まで用途に合わせて様々な品種があり、馬場馬術用、障害飛越用、ウエスタン乗馬用などその品種の目的に合わせて選別し育成されています。
特徴としては軽種に比べると大人しくて従順な馬が多く、丈夫な馬も多いのが特徴です。
走るスピードでは軽種には敵いませんが、その温厚な性格から乗用馬として非常に優れており馬術競技などを中心に活躍しています。
ここでは中間種の代表的な品種をご紹介します。
クォーターホースは正式にはアメリカンクォーターホース(American quarter horse)と呼ばれ、アメリカのバージニア州が原産の品種です。
全世界で400万頭以上が登録されており世界で最も頭数の多い品種です。
クォーターホースの起源はアメリカ開拓期にヨーロッパから持ち込まれたアンダルシアンにサラブレッドやアラブ種、あるいはマスタングなどが交配され改良を繰り返すことで誕生しました。
クォーターホースの体高は約143cm~160cmで体重は約400kgとサラブレッドに比べると小柄ですが、ややがっしりとした筋肉質の体型で温厚な性格をしており、また粗食にも耐えます。
クォーターホースの名前の由来はクォーターマイル(1600mの4分の1)の400mを速く走ることができることから名付けられました。
短距離のダッシュ力に優れ、急発進や急停止も上手にこなすことができ400m以下ならたとえサラブレッドが相手でも互角以上に戦えます。
トップスピードは時速75kmほどになり、最高では約88.5kmを記録したという例もあります。
アメリカではクォーターレース用の競走馬として使われていますが、日本では使用されていません。
しかし、その機動力の高さとサラブレッドよりも温厚な気性から万一の競走馬の放馬に備えて大井競馬場など一部の地方競馬場では誘導馬として重宝されています。
クォーターホースは色々な用途に使われ、馬ができることはクォーターホースなら基本的に何でもできると言われているほどです。
昔、アメリカでは農作業や牛追い、運搬 、馬車馬、戦闘馬などにクォーターホースが使われ、カウボーイが乗る馬として名声を得ました。
今現在はウエスタンスタイルの乗馬に使われているのが有名ですが、その他にもロデオ競技用としてや、トレッキング、馬場馬術、障害飛越競技などたくさんの用途で活躍しています。
セルフランセはフランスが原産の品種で、ネイティブのフランス馬が起源です。
アングロノルマンを基礎に品種として成立し、サラブレッドやノーフォークトロッターなどの血が入っています。
セルフランセが成立したのは1965年とまだ歴史が浅い上にアングロノルマンや血統の怪しいアングロアラブをそのままセルフランセとして分類したために純系化が進んでおらず、体型などの性質はその馬によってバラつきが多いですが、セルフランセとして登録するためには優秀な馬でないといけないために能力は高く、種牡馬選定の基準は障害のジャンプ能力が重要視されます。
セルフランセの体高は約152cm~163cmで頸は長く、胸は深く、胴回りも太くガッチリとした体型です。
毛色はさまざまですが、普通は鹿毛や栗毛が多く見られます。
セルフランセの性格は温厚で素直。また耐久力にも優れています。
セルフランセは総合馬術、馬場馬術、障害競技などに主に使われますが、フランスではサラブレッドやアングロアラブと交配され競馬の障害競走でも使用されています。
この品種は能力が高く、オリンピックなどの大会でも好成績をあげており優秀な馬には億単位の値段がつくこともあります。
スタンダードブレッドは19世紀に北米で成立した品種で、同じく北米で成立したクォーターホースなどと同様にアメリカ開拓期にヨーロッパから連れてきたサラブレッドにアラブ種やバルブ種、トロッター、モルガンなどを交配して改良を重ね誕生しました。
現在はアメリカをはじめとしてヨーロッパやオセアニアの各国で生産されており、世界では毎年5万頭以上生産されています。
スタンダードブレッドの体高はおよそ160cm、体重は約450kg程度が標準的です。
サラブレッドよりも頑丈でがっしりとした体格をしており体が長く脚はやや短めで、持久力があり心肺機能に優れています。
また、性格はサラブレッドよりも温厚で扱いやすいとされています。
毛色は鹿毛と青鹿毛、栗毛などが多いですが、それ以外の毛色も見られます。
そして、スタンダードブレッドの最大の特徴は速歩が得意なことでこれはこの品種の改良の目的でもありました。
スタンダードブレッドは現在は乗用馬や競走馬として使われています。
ただ、競走馬といっても襲歩で走る速度ではサラブレッドには敵わないためにこの写真のような繋駕速歩競走(速歩のみで行う競走)に使用されています。
現在の日本では繋駕速歩競走は行われていないのでそれほど人気のある品種とは言えませんが、繋駕速歩競走が盛んなフランスやイタリアなどでは人気のある品種です。
ちなみにスタンダードブレッドの名前の由来は1マイル(約1600m)を2分30秒という
標準(スタンダード)記録に達しなければならなかったためというのが語源です。
またスタンダードブレッドは別名アメリカントロッターとも呼ばれています。
ハクニーはイギリスが原産の品種で、ノーフォークトロッターなどを基礎にして作られた品種です。
体高は約140cm~153cmで毛色は鹿毛、黒鹿毛、栗毛、青毛などで美しい被毛を持っており、小さな頭に小さな耳、大きな目が特徴で体はたくましく尾が高い位置に水平に付いている特徴があります。
また、アメリカでは尾を高く上げさせるために尾根の毛を刈る習慣もあります。
剛健で持久力があり、馬車を引いてもスピードと持久力が落ちないのが長所です。
昔、自動車が普及するまでは交通手段として使われており、軍馬としても活躍していました。
現代ではその役目は終えましたが、馬車競技用として活躍を続けています。
主に馬車用の馬として使われているハクニーはハクニー歩様という脚を高く上げて馬車を引く優雅な仕草で有名で馬車馬としては最上級の品種です。
このハクニー歩様は肘と膝を高く上げ、直線的で確固とした芸術的な歩様で、競技などで審査を行う場合はこのハクニー歩様が最も重要視されます。
この歩様を際立たせるために蹄は長く伸ばしています。
ハクニー歩様は馬だけでなく、犬などの他の動物の芸術的審査を行う場合も重要視されます。
日本では現在ではハクニーはほとんど見られませんが、海外では改良が進められているところもあり、力強さよりは美しさを重視して改良されています。
現在は馬車の実用というよりは競技用に生産されているところが多いようです。
ハクニーにウェルシュポニーやフェルポニーを交配して誕生した小型のハクニーポニーという品種もあります。
アパルーサはアメリカ北西部が原産でカラフルな斑点が特徴的な品種です。
アパルーサの起源は18世紀にネズパース族というアメリカの原住民がスペインから持ち込んだマスタング種をサラブレッドを用いて改良したのが始まりと言われています。
ネズパース戦争で多くのアパルーサを失い、数十年は衰退に陥りましたが生き残った馬を繁殖し、復活を遂げ現在に至り現在は6万5000頭を越える馬が登録されています。
ちなみにアパルーサという名前はネズパース族がパルース川という川の周辺に住んでいたことからアパルーサという風に名付けられたそうです。
アパルーサの体高は約142cm~約163cmで、丈夫で非常に持久力のある品種です。
また、病気にも強く粗食にも耐えるために扱いやすい品種でもあります。
このあたりは品種改良を繰り返したネズパース族の努力の賜物と言えるでしょう。
アパルーサはアメリカではサラブレッドやクォーターホースなどと並んで最も人気のある品種のひとつでアパルーサの血統はアメリカのポニーなど他の品種にも大きな影響を与えました。
アパルーサの最大の特徴は何といってもその独特な模様でしょう。
アパルーサの毛色は模様によって「レオパード」、「ブランケット」、「スノーフレーク」、「フロスト」、「マーブル」などの色々な種類に分けられます。
ちなみに他の品種では生まれた時に毛色を判別できますが、アパルーサの場合は生まれたての時は毛色を判断しにくいらしいです。
アパルーサは色々な用途に使われており、馬場馬術、障害馬術、クロスカントリーやエンデュランスなどの乗馬としてはもちろん、馬車馬やサーカスなどでのショーにも使われています。
また、西部劇などの映画でもアパルーサが登場することはよくあります。
こういう色々な用途で使えるというのはアパルーサの素直な気性と賢さがあるからでしょう。
ハノーバーはドイツ・ザクセンが原産の品種で1600年代に成立しました。
そして、その後にサラブレッドやトラケーネンの血の影響を受けている品種です。
体高は約153cm~170cmで平らな頭部を持ち、頸、胸、肩、腰はいずれもたくましく、気性も素直で従順です。
毛色は鹿毛、栗毛、青毛、芦毛など様々なものが見られます。
ハノーバーは元々は馬車用の馬としても使われており、1700年代から1930年代まではイギリス王室の牧場で生産され王室の儀典馬車用の馬として使われていました。
馬車を引くパワーがある品種にサラブレッドの血を導入することにより、機敏さを兼ね備えることに成功しました。
ハノーバーはその良い気性、機敏な動き、美しさ、優雅さで知られており、ドイツでは特に乗用馬としての人気が非常に高い品種で、馬場馬術や障害飛越の競技馬として世界的にも高い評価を得ておりオリンピックの馬術競技でも金メダルを獲得した実績もあります。
世界の馬術で使用されている馬のおよそ80%がハノーバーと言われているほどで、その丈夫さからも愛好家が多く、馬術において非常に優秀な品種と言えるでしょう。
ウェストファーレンはドイツ西部のウェストファーレン地域が原産の馬でウェストファーリアンと呼ばれることもあります。
ドイツのウェストファーレン州立牧場で認定された馬のことを指すのがこの品種です。
ウェストファーレンは馬場馬術用や障害飛越用の馬として世界的に評価が高くオリンピックなどの馬術競技で活躍しており、同じく馬術競技馬として世界的評価の高いハノーバーと原種が近く、ドイツではハノーバーの次に多く生産、育成されており乗用馬として非常に人気の高い品種です。
また、近年では日本でもウェストファーレンの種牡馬を輸入して乗用馬の生産、育成を行っています。
ウェストファーレンの体高は約154cm~174cm、体重は約450kg~580kgで非常に弾力のある歩様が魅力的な品種です。
毛色は鹿毛、栗毛、芦毛、青毛でそれ以外の毛色は稀にしか見られません。
ウェストファーレンの最初の種牡馬は東プロイセンから導入され、当時のトラケナーとよく似た品種でした。
サラブレッドの血も入っており機敏さも兼ね備えていたと言えるでしょう。
そのために当時のドイツでは騎兵隊の馬として使われていました。
現在では馬場馬術や障害飛越競技などで活躍しており、ハノーバーと共に乗馬用の馬として日本でも非常に人気のある品種です。