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乗馬の上達方法

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常歩での乗馬上達方法

常歩は乗馬における最も基本的な運動です。

「常歩なんてただ歩くだけでいいんでしょ?」と思われる方もいるかもしれませんが、常歩は全ての乗馬の基本です。

上手な常歩ができなければ、常歩よりもスピードがある速歩や駈歩が上手くできるはずがありません。

ということで常歩だからとバカにせず上手な常歩を身につけましょうね♪

ちなみに「なみあし」の正しい漢字表記は「常足」や「並足」ではなく「常歩」です。

パソコンなどでの漢字変換ではだいたい「常足」や「並足」と出てしまうと思うので間違えないように気をつけて下さいね。

常歩は英語ではウォーク(walk)と言います。

常歩

常歩の歩様

常歩は四拍子のリズムで右後肢→右前肢→左後肢→左前肢の順に肢が動く歩法で、常に二本あるいは三本の肢が地面に接している歩法です。

常歩の歩様

頭を上下左右に大きく動かして歩き、騎乗者には前後の揺れが伝わりますが、上下の反撞はほとんどありません 。

速さは分速で約110m、時速にすると約6.6kmぐらいです。

収縮常歩→尋常常歩→中間常歩→伸長常歩の順に歩度が伸びていきます。

ちなみに「ジョーバ」というフィットネス機器がありますが、このジョーバの動きは常歩の動きを再現したものですね。

常歩の合図はタイミングが重要

常歩のタイミングを説明します

初心者の人によくありがちなのが、常歩の合図を送る時に必要以上にバンバン蹴ることです。

馬によって反応の良し悪しがありますが、発進の合図はなるべくやさしくすることを心掛けましょう。

発進の合図を送る時は馬のお腹をやさしく圧迫しつつ、足首を柔らかく上下に動かし馬のお腹に合図を送ります。

この時に足首全体を大きく動かすのではなく、つま先の位置はなるべく変えないように気をつけて下さい。

反応のいい馬だとわずかな合図で動き出しますが、反応が悪い馬だと軽い合図では動かないこともあるので徐々に合図を強くします。

馬によって合図の強さを使い分けることができるように、一頭一頭それぞれの特徴を覚えておくと良いでしょう。

そして常歩を始めた後も脚で合図を送るわけですが、ただやみくもに合図を送れば良いというわけでもなく、脚を使うタイミングが非常に大事になってきます。

さて、その脚の使うタイミングですが両方の脚を同時に使うのではなく、脚を交互に使って馬を推進させます。

馬の左肩が前に出たときに右脚を、右肩が前に出たときに左脚を使います。

すると、脚を使った方の後肢がグッと前に踏み込んできます。

常歩の脚

何故こういう脚の使い方をするかというと、前述したように常歩の動きは右後肢→右前肢→左後肢→左前肢の順です。

右前肢が前に出たタイミングで左脚を使うとちょうどその後に左後肢が踏み込んできます。

ということは脚でお腹を圧迫するということは「後肢をもっと前に踏み込むんだよ」と後肢に対して合図を送っているということです。

こういう風に馬の肢の動きのタイミングに合わせて合図を送ることで、必要最小限の力で馬を推進させることができます。

効率の良い合図を送ることができれば、馬にとっても騎乗者にとっても負担が少なくなるので是非とも脚の使うタイミングを身に着けましょう。

手綱を使わずに脚と重心で馬を曲げてみよう

最初の頃は馬を曲げる時にどうしても手綱だけで曲げようとしてしまいます。

しかし、馬を操作する時に手綱に頼りすぎるのは良くありません。

馬を曲げる時には手綱はあくまでも補助的に使うイメージで、まずは脚と重心の移動を使い、最後に手綱を使いましょう。

あまり手綱を強く使いすぎると馬は口の痛みから逃げようとして首を振ったりし、苦痛を与えてしまう事になります。

馬の口はデリケートだと認識してやさしく手綱を使う事が大切です。

このイラストのようなスラロームの練習は誘導の練習に効果的ですし、巻乗りや輪乗りなどの運動も取り入れると馬の体が温まり筋肉がほぐれてくるので、より軽い動きをしてくれるようになります。

常歩のスラローム

鐙を外して常歩を乗ってみよう

初心者の時は常歩をある程度練習したらすぐに軽速歩の練習をする事が多いかもしれませんが、その前に鐙を外して常歩を乗る練習をしておくと良いでしょう。

鎧上げ常歩

どうしても最初の頃は鐙でバランスを取ってしまいがちですが、鐙を脱いで常歩をすると坐骨でバランスを取る感覚が身に付きます。

この感覚を覚えておくと駈歩をやり始めた時などにも上達が早くなるはずです。

鐙を外し脚の力を抜き、脚を下に長く長く伸ばします。

そして坐骨を立て、坐骨に神経を集中して鞍との接触を感じます。

このイラストのように坐骨から脚が生えて立っているイメージで安定感を感じながら乗りましょう。

坐骨

坐骨の一番低い部分の中心を馬の背に乗せ、左右均等に体重がかかるように気をつけましょう。

軽速歩では坐骨でバランスを取るという感覚は掴みにくいと思いますので、常歩の時に練習しておくと良いでしょう。

別のページで説明しているバランスボールでの練習も非常に効果的です。

裸馬に乗っての常歩

裸馬での常歩

裸馬に乗ると馬の体がどのように動いているかよく理解でき、馬との調和のとれた運動ができるようになります。

坐骨でのバランスの取り方や左右均等に体重をかける練習にもなりとても効果的で、なにより馬の体温が伝わってきて馬との一体感を感じることができます。

ただ、慣れるまでは危険も伴うので大人しい馬で行うようにし最初は誰かに馬をひいてもらって乗るとよいでしょう。

裸馬だと騎座が安定しないので、太ももや膝で締めてしまいがちですが常に坐骨でバランスを取ることを意識します。

次のページでは速歩での乗馬上達方法1について解説しています。是非見て下さいね♪