【馬の豆知識】
・トアテリウム
馬の最も古い祖先であるヒラコテリウム(エオヒップス)は今からおよそ5200万年前にはすでに存在していたと言われています。
ヒラコテリウムは現在の馬(エクウス)にまで長い時間をかけて進化を繰り返し、体の各部分を変化させてより速く走ることができるようになりました。
五本の指のうち、中指だけを長く進化させて他の指を退化させたのも速く走るためには必要な変化でした。
ヒラコテリウムからエクウスまで馬の進化の舞台の中心となったのは北米大陸です。
北米大陸で進化を繰り返した馬は、かつては地続きであったベーリング海峡を渡ってアジアやヨーロッパ、アフリカへと広がっていきました。
しかし、実は南米大陸にも同じような進化の過程をエクウスとは全く独立してたどった生物がいました。
トアテリウムと呼ばれたこの生物は、およそ2300万年前から500万年前にかけて生息していたと言われ、エクウスと同じように脚は中指一本のみに進化しており他の指は退化し、その痕跡も消滅寸前の段階にまで達していました。
トアテリウムは馬よりも早い段階で脚を一本指に進化させており、現在の馬がまだ退化した指の痕跡が残っていることを考えれば、むしろ現在の馬よりも洗練されていたとさえ言えるかもしれません。
トアテリウムの化石はあまりにも馬によく似ているために偽馬とも称されています。
トアテリウムがこのまま進化を繰り返していれば、もしかすると馬よりも速く走ることができていたかもしれません。
しかし、トアテリウムは絶滅してしまうことになるのです。
かつては南米大陸は海に囲まれた孤立した大陸でした。
そのため、強力な肉食獣がいなかった時は生き延びることができましたが、大陸が動き南米大陸と北米大陸が地続きとなり、北米大陸から強力な肉食獣がやってくるとトアテリウムは絶滅してしまうことになるのです。
もしトアテリウムが生存し、順調に進化を繰り返していたら現代ではどれほど優れた動物になっていたのだろうかと思わずにはいられませんね。
【北米大陸で進化を繰り返した馬の進化図。これとは独立して南米大陸で進化したのがトアテリウム】
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