【馬の豆知識】
・プアパフォーマンスと呼吸器疾患
乗用馬や競走馬などの運動用馬にはプアパフォーマンス(Poor Performance)という言葉があります。
プアパフォーマンスとは故障や疾患などの何らかの原因によってその馬が持っている能力(パフォーマンス)をフルに発揮できないことを言います。
プアパフォーマンスの原因は運動器系である骨や筋肉、蹄などの疾患が多いのですが、運動器疾患が見られないのに能力を発揮できない馬がいます。
その場合に原因として考えられるのが呼吸器疾患です。
特に競走馬においては呼吸器疾患が能力に与える影響は非常に大きいと考えられています。
馬は人間と違い、口では呼吸ができず鼻でのみ呼吸を行っています。
馬の安静時の呼吸数は1分間に10回ほどですが、競走馬が走っている時には150回ほどにまで達します。
馬が走っている時には腸などの消化器が重心移動によって前後するので、呼吸数は走行歩数によって決まってきます。
1分間に約150回も呼吸するためには空気を吸って吐くという行動を短時間で繰り返さなければいけません。
呼吸器に何らかの異常があれば、走行能力に大きな影響を与え、プアパフォーマンスに繋がっていくのです。
呼吸器疾患としてよく知られているのが喘鳴症、いわゆる「ノド鳴り」と呼ばれているものです。
ノド鳴りは喉頭片麻痺や軟口蓋の背方変位などの疾患などによって、異常な呼吸音を発します。
「ヒューヒュー」という乾いた音を発する喉頭片麻痺、「ゴロゴロ」「ゲロゲロ」という湿った音を発する軟口蓋の背方変位など、正常な呼吸では発しない音なので比較的容易に聞き分けることができます。
呼吸器疾患の疑いのある馬は内視鏡によって検査され、手術が必要とされた場合は手術によって治療が行われます。
手術によって正常な呼吸ができるようになり、プアパフォーマンスが改善されたという例は多く、手術の成功率も高いとされています。
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