障害飛越のテクニック

・障害飛越のテクニック

障害馬術はコース上に置かれた色々な高さや構造の障害を決められた順番通りに飛越して走行する競技で、早くゴールすることはもちろんですが、障害物を落下させることなく走ることや、馬が障害物を拒否することなく走行することが要求されます。

 

馬が障害を飛越する瞬間、騎乗者は鐙に踏ん張って上半身を前に倒して、馬の頸の上に覆い被さるような形になっています。

こういう動作を「随伴(ずいはん)」と呼びます。

障害飛越のテクニック

では、なぜ馬が障害を飛越するときに随伴するのでしょうか?

 

馬が障害を飛び越えるときには、その障害物の高さや幅などに応じて、踏み切る位置を判断します。

後肢で地面を蹴る強さと方向を判断し、前躯を持ち上げる高さを判断します。

 

そして、前肢で地面を叩いて前躯を上方に浮き上がらせます。

その直後、後肢が深く踏み込んで地面を蹴り、馬体が浮き上がります。

 

このとき「作用・反作用の法則」で、後肢が蹴った力と同じ大きさの力が地面から逆向きに馬体に伝わります。

地面から返ってきた力が推進力となり、この推進力の作用線上に馬の体の重心があればロスのない軌道を描いて障害物を飛越することができます。

 

しかし、障害を飛び越えるのは馬だけではなく上には人間が乗っています。

なので、馬と人間とを合わせた合成重心に推進力を働かせる必要が出てくるのです。

 

馬と人間とを合わせた合成重心の位置は馬自体の重心の位置とはやや異なります。

そこで、なるべく馬本来の重心に同化するように騎乗者は上半身を前に倒して随伴と呼ばれる動作をとるのです。

障害飛越の重心

【写真 Dziurek / Shutterstock.com】

もし、随伴が遅れたり早かったりした場合は馬の飛越の軌道に乱れが生じ、障害物の落下や飛越拒否につながってしまいます。

 

障害競技の騎乗のポイントはたくさんありますが、最も大事なポイントのひとつがこの「随伴」の動作だといえるでしょう。

 

 

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