海馬

【馬にまつわる言葉】

・海馬(タツノオトシゴ)

タツノオトシゴという魚がいます。

タツノオトシゴ

魚とは思えないような変わった姿のこの生き物ですが、タツノオトシゴを漢字で書くと「海馬」となります。

これはタツノオトシゴの顔が馬の顔の形に似ていることから海馬という漢字になり、ウマノコ(馬の子)やウマノカオ(馬の顔)、ウマヒキ(馬引き)、リュウグウノコマ(竜宮の馬)、ウマウオ(馬魚)などタツノオトシゴは地域によって様々な別名がありますが、どれも馬にちなんだ別名がつけられています。

また、タツノオトシゴは英語では「seahorse」と呼ばれています。

ちなみに人間の脳で海馬という記憶形成に関わる器官がありますが、これはこの器官の形がタツノオトシゴに似ていることから名付けられたそうです。

 

「海馬」とは元来、ギリシャ神話に登場する海の神様であるポセイドンが乗る馬車をひく空想上の馬(頭と胴は馬で、魚の尾を持ち前脚に水掻きを持っている)ヒッポカンポス(hippocampus、ラテン語で馬と海獣を合わせた合成語)のことです。

ヒッポカンポス

「ヒッポカンポス」はその後、タツノオトシゴ属の学名に使われるようにもなりました。

 

このようにタツノオトシゴのような他の生き物の漢字に馬が使われることからも、馬ははるか昔から人間と深いつながりを持っていたことを感じさせられますね。

 

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馬の進化の痕跡

【馬の豆知識】

・馬の進化の痕跡

馬の最古の祖先は5000万年以上も前から存在していて、馬は長い年月をかけて進化を繰り返してきました。

色々な部位が進化してきましたが、一番大きな進化といえばやはり肢でしょう。

 

草食動物である馬は肉食動物から逃れるために速く走らなければいけません。

そこで第三指(中指)を長大化し、それ以外の指は退化していきました。

つまり馬は中指一本で地面に立っている状態なのです。

 

何千万年もかけて進化させてきた馬の肢ですが、こうした進化の証拠は資料のみではなく実際に馬を見ることでも感じることができます。

 

例えば、夜目(または附蝉)と呼ばれる部位があります。

夜目は肢の内側にあり、約5センチほどの大きさで角質でできています。

実際に触ってみると周りの皮膚とは硬さや手触りが全く違います。

この夜目は犬や猫における肉球のようなもので、走る際のクッションとしての役割を果たしていました。

夜目はこれらの肉球が進化の過程で中指が長くなることにともない上部に移動して、痕跡として残ったものなのです。

ちなみに、現代の馬にとっては夜目は何の役割も持っていません。

 

また、前ひざから球節までの肢の骨を菅骨(第三中手骨)と言いますが、この菅骨の左右には細い骨(副中手骨)が途中まで付いています。

この左右の二本の骨は進化の過程で退化した第二指と第四指の痕跡なのです。

 

人類の誕生する前から地球上に存在していた馬の祖先。

途方もなく長い年月をかけて進化してきた証を現代の馬の体の痕跡からも見ることができるのです。

夜目
【肢の内側にある夜目。馬の進化の痕跡を感じることができる部位です。】

 

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歯の生え替わり

【馬の豆知識】

・歯の生え替わり

馬の歯は実は牡馬と牝馬で数が違います。

牡馬の歯は全部で40本ありますが、牝馬は36本しかありません。

牡馬には4本の犬歯がありますが、牝馬には犬歯がないために牡馬と牝馬で歯の数に違いが出るのです。

 

馬の歯はそれぞれに役割があります。

切歯は草を食いちぎる役割を持ち、臼歯は食いちぎった草を擦り潰す役割を持ちます。

そしてこの切歯と臼歯の間にある広い隙間が歯槽間縁(しそうかんえん)と呼ばれるところで、この隙間にハミを装着するのです。

人が馬を自在にコントロールできるのもこの歯槽間縁があるからなのです。

 

人間の歯が乳歯から永久歯に生え替わるように馬の歯も乳歯から永久歯に生え替わります。

生え替わる歯は切歯の上下各6本、前臼歯の左右上下各3本の合計24本です。

これらの歯は生後2年半から5年間の間に次々に生え替わっていきます。

 

人間と同じく歯は馬にとっても非常に大切なものです。

歯の噛み合わせや生え方などが悪いと口の中を傷つけたり、ハミ受けにも影響してくるので、歯を削ったりして治療することが大切です。

馬にとっても「歯は命」なのです。

歯の生え替わり

 

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馴致(ブレーキング)

【馬の豆知識】

・馴致(ブレーキング)

馬は人を乗せて、人の指示に従って動きます。

しかし、もちろん馬は成長すると何もしなくても人を乗せるようになるわけではありません。

人を乗せる以前に、鞍やハミなども馬は最初はつけるのを嫌がります。

 

馬が抵抗なく鞍やハミを装着し、人を乗せることができるようになるためには馴致(ブレーキング)と言われる教育が必要になってきます。

この馴致(ブレーキング)によって躾(しつけ)や作法などを若馬に教えていくのです。

 

馴致の進め方は世界各地で異なっており、様々な方法がありますが、馬の負担を減らし、馬が人間に対して不信感を抱かない方法が理想です。

この馴致を通して人間と馬との信頼関係をシッカリと築いていくことが大切になってきます。

 

馴致はもちろんいきなり鞍をつけて人を乗せるわけではありません。

まずは、人が馬の体を触っても嫌がらないようにします。

そして腹帯を巻かれるのに馴らしたり、ハミに馴らしたり、鞍をつけるのに馴らします。

馬具の装着に馴らしたら、いきなり人が乗るのではなく、まずは人の体重に馴らします。

こうして地道な手順を徐々に積み重ねることによって馬が人を信頼するようになり、人を乗せるようになり、人の指示に従順に従うようになっていくのです。

 

馴致のひとつひとつは若馬にとってはどれも初めて経験するものなので、当然最初は怖がったり抵抗したりします。

しかし、それが自分に危害や痛みを与えるものではないと理解すればそれを段々と受け入れるようになっていきます。

人間が馬に乗るためにはこういった地道な積み重ねがあるのです。

馴致(ブレーキング)

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