馬の歯(2)

【馬の豆知識】

・馬の歯(2)

草食動物である馬は主にイネ科の草を食べて生活しています。

馬の歯、また噛む力などは肉を主食として生活している肉食動物ほどではありませんがとても強力で、ガブッと噛まれて痛い目にあった人も多いと思います(笑)

その馬の丈夫な歯ですが、実は年齢とともにすり減っていきます。

人間など一般的な動物の歯は象牙質を芯にして周りをエナメル質で覆われています。

エナメル質はとても硬いので摩耗しにくくなっています。

しかし、これに対して馬の歯はエナメル質の外側をセメント質というもので覆われています。

このセメント質はエナメル質より柔らかくできているので草などをすり切って食べているうちに摩耗してきます。

歯がすり減った結果、セメント質、エナメル質、象牙質が年輪のように並んだ構造が表面にあらわれてくるのです。

なので馬の歯を見れば大体の年齢が推測できます。

今のように血統書などがなかった昔の時代には馬が売買されるときには必ず歯のすり減り方を見て年齢を確認されていたらしいです。

「でもそんなに摩耗するのなら、草ばっかり食べているうちに摩耗して歯がなくなっちゃうんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。

しかし、馬の歯は歯茎から咬合面までの高さが高い(歯が長い)ので、すり減ってしまうまでには時間がかかりますし、馬の歯は長い期間にわたって伸び続けるのでそう簡単には摩耗しつくされない仕組みになっています。

みなさんも一度、馬の歯を観察して年齢と照らし合わせてみると面白いかもしれませんね♪

あっ、でもさく癖ばっかりやっている馬は年齢の割には歯がすり減っているかもしれません(笑)
ちなみに、馬の歯医者さんもいるんですよ♪
さく癖

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効率的な呼吸法

【馬の豆知識】

・効率的な呼吸法

馬はその大きな鼻でたくさんの酸素を一気に取り込むことができます。

そして、疾走中の馬は一完歩(四肢のどれかの肢が着地して、次にその肢が着地するまで)で一回呼吸します。

一完歩で一回だけしか呼吸しないのは一見、非効率のようにも見えますがこれが非常に効率的なしくみになっています。

例えば、人間が呼吸する場合は呼吸筋という筋肉を伸縮させることによって肋骨を広げて、それと同時に横隔膜を引き下げて息を吸い込みます。

肺のある胸腔の体積を筋肉の力で押し広げるのです。

そして、息を吐くときはその逆でこの胸腔の体積を筋肉の力で押して縮めて肺から空気を追い出します。

馬も立っている時や歩いているときなどは基本的には人間と同じ方法で呼吸しています。

 

しかし、疾走中の馬はまた違った方法で呼吸を行います。

馬の内臓は体重の約30%もの割合を占めており、馬が走る時には内臓はお腹の中でピストンのように動きます。

例えば、地面を蹴って加速がついた時に内臓は慣性によって横隔膜と一緒に身体の後ろの方に移動します。

内臓が後ろに移動することにより、胸腔が広がることによって空気が鼻から肺へと吸い込まれます。

駈歩3

 

逆に前肢が着地したときには肢に摩擦がかかるために身体にブレーキがかかり、内臓は慣性によって身体の前方に移動して肺から空気を押し出します。

駈歩4

競馬のゴール前でスパートする時は馬は無呼吸で走ると言われていることもあるかもしれませんがそれは間違いで、このような呼吸のしくみのために馬は一完歩ごとに必ず一回呼吸しています。

寒い冬の日などに走っている馬を観察すると吐く息と完歩のリズムが一致しているのが分かると思います。

このように馬は走る時には呼吸筋を使わなくても、無意識のうちに呼吸できるような非常に効率の良いしくみになっています。

 

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馬の筋肉

【馬の豆知識】

・馬の筋肉

馬、とくにサラブレッドの身体はいくつもの筋肉に覆われており、まるで芸術品のようで感動すら覚えます。

馬はこの筋肉を縮めたり弛めたりする事を繰り返すことによって運動するための力を生み出しています。

馬のこの筋肉は大きく分けると二つのタイプの筋繊維から構成されています。

ひとつは速筋と呼ばれる筋繊維で筋肉の収縮のスピードが速いので瞬発力を引き出す際に用いられます、しかし収縮の速度が速い反面すぐに疲労してしまいます。

なぜならば、速筋のエネルギー源は糖質ですが、体内に蓄えられる糖質量(ブドウ糖)の量は限られているために限度があります。

 

もうひとつの筋繊維は遅筋と呼ばれるものでゆっくり収縮するために持久力を引き出す際に用いられ、収縮の速度が遅いので疲労しにくいタイプの筋繊維です。

遅筋のエネルギー源は脂肪なので長く使えるために持久力があるのです。

速筋は無酸素運動時に使われ、遅筋は有酸素運動時に使われると言われています。

この速筋と遅筋の割合のバランスが、その動物が短距離型か長距離型かといった走能力の特徴を決定します。

サラブレッドの場合の筋繊維の割合は速筋が約88%を占めています。

この筋繊維の構成比率は競馬で行われる距離である1200mから3200mの距離を走るための能力の向上を目的としたサラブレッドの改良の結果、こういう筋繊維の比率になったのでしょう。

例えばアメリカで生産が盛んなクォーターホースは400mの競馬で使われていますが、クォーターホースの速筋の比率は約93%もの割合を占めています。

 

人の場合は馬以上に速筋と遅筋の割合のばらつきの個人差が大きく、短距離走者では速筋と遅筋の割合がほぼ7対3であるのに対して、長距離走者では3対7と全く逆転しています。

馬の筋肉

(調教で鍛え抜かれたサラブレッドの筋肉はまるで芸術品のよう)

 

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馬の色覚

【馬の豆知識】

・馬の色覚

馬は人間と同じように様々な色を感じる色覚があるのでしょうか?

これに関してはまだまだ不明な点も多いのですが、動物の目には桿体(かんたい)と錐体(すいたい)という形の違う二種類の視細胞があります。

このうちの錐体が色を感じることができる細胞だと分かっています。

馬にもこの錐体が存在するので、色を感じることができると推定されます。

しかし、色覚は人間などと比べると劣っており、赤色系の識別は難しいことが実験の結果で確認されています。

ということは馬が大好きなニンジンも馬から見たらこういう風に見えているのかもしれません。見た目はあまり美味しそうじゃありませんね(笑)

人参

 

逆に識別しやすい色は黄色で、その次に緑、そして青の順と言われています。

 

これは人間の色覚と馬の色覚を比較したものです。

左側が人間の色覚で、右側が馬の色覚です。

馬の色覚

これを見ても黄色なんかは比較的よく見えているようですが、赤系統の色はよく判別できていないことが分かりますね。

ただ、以前にこのブログでもご紹介したように馬は夜でもよく目が見えます。

なのに色覚がそれほど発達していないということは、馬の進化の過程で色覚にそれほど頼らない生活を送ってきたためかもしれませんね。

夜に目が見えにくいと肉食動物に襲われる危険性がありますが、色の判別がそれほどつかなくても生き延びるためにはそれほど影響がなかったとも考えられますね。

 

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