・馬は右から?
「馬は左から乗る」というのが馬に乗る文化のある国ならどこの国でも常識として習慣になっています。
しかし、明治維新前の日本では「馬は右側から乗る」という習慣があったようです。
なぜ昔は右側から乗る習慣になっていたのでしょうか。
これにはいくつかの説があります。
昔、武士は左腰に刀を差していましたが、その刀の柄が鞍にあたらないように右側から乗っていたというのが一つ目の説です。
しかし、この説は刀の脇差しをすることが習慣になる前から武士は右乗りをしていたようなのでどうやら確かではないようです。
もう一つの説は左手に弓を持つと必然的に右手に手綱を持つことになります。
常に弓を持っているとすれば右側から乗らざるを得ないというのがもう一つの説です。
実際、昔は左手は弓手(ゆんで)、右手は馬手(めて)と呼ばれていました。
しかし、同じように馬上で弓を使う民族でも左乗りの習慣の地域の方が多いのでこの説もあまり確定的とは言えないようで、結局のところ何故昔は右側から乗っていたかはハッキリと分かっていないようです。
中近世にオランダ商官員や宣教師として来日した多くの外国人がこの右側から馬に乗るという習慣について書き記しています。
1860年プロシアのオレインブルク伯は江戸で馬に乗った時に「左側から馬に乗ると大いに哄笑を呼んだ」という記述が残っています。
また、日本人もこの時は左側から馬に乗る外国人を見てとても不思議に思ったようです。
その国によって文化や習慣などは大きく異なり、その国では常識でも他の国では違うということも多々あります。
通信手段が発達したり、国外との交流が盛んになった現代でこそそういうギャップは少なくなったと思いますが、昔は馬の扱い方ひとつをとってもその国々での習慣が大きく表れていたと言えるのでしょうね。
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