小説「颶風の王」

・小説「颶風の王」

今回のブログでは皆さんにオススメしたい馬に関する素敵な小説をご紹介したいと思います。

 

颶風の王(ぐふうのおう)  河崎秋子

颶風の王

 

前回までのブログで北海道にあるユルリ島の野生馬のことをご紹介しましたが、実はこの「颶風の王」にはユルリ島がモデルとなった話が出てくるのです。

もちろんユルリ島の歴史をそのまま書いてあるという訳ではなく、物語の中では花島という名前で登場するので実際の島の歴史とは異なります。

しかし、ユルリ島の歴史をあらかじめ知った上でこの本を読むと、さらに物語を深く味わうことができるのではないでしょうか。

 

この「颶風の王」は三浦綾子文学賞受賞で、先日発表されたJRA賞の馬事文化賞にも選ばれました。

東北と北海道の自然を舞台として、馬と人との世代を超えた繋がりを表現した非常にスケールの大きな作品です。

 

厳しい自然の中では人間の力も及びません。

しかし、人間も馬もそんな自然の中で必死に生き、その命を後世へと繋いでいくのです。

例えば、雪崩で女性と馬が遭難するという場面があります。

食糧もなく凍える寒さの中でその女性と馬がとった必死に生き延びようとする行動。

その表現の一つ一つが細かでとても臨場感があり、更には読んでいてちょっと背筋がゾクッとする場面もあり、読み進めていくにつれて心臓がドキドキしているのが分かるぐらいでした。

 

昔は馬は農耕や運搬などに使われており、地域によっては家族と同じような存在でした。

この作品では人間と馬との深い絆を感じることができます。

 

著者の河崎秋子さんの本業は何と羊飼いというとてもユニークな経歴の持ち主です。

北海道で生まれ、大学卒業後はニュージーランドで緬羊飼育技術を一年間学んだ後、自宅で酪農従業員をしつつ緬羊を飼育・出荷しているそうです。

 

昨年の文学界は芥川賞を受賞した又吉直樹さんをはじめとして、専業の作家ではない異業種作家の活躍が目立ちました。

違う業種で活躍しているからこそ専業作家とは違った独創的な表現ができるのでしょうし、北海道で動物に携わりながら生活している著者の経験がこの小説に生かされているのではないでしょうか。

 

馬好きの方なら間違いなく読んで損のない超オススメの作品です。

 

 

みんなの乗馬ホームページはコチラをクリック↓

 

このエントリーをはてなブックマークに追加