【馬の豆知識】
・効率的な呼吸法
馬はその大きな鼻でたくさんの酸素を一気に取り込むことができます。
そして、疾走中の馬は一完歩(四肢のどれかの肢が着地して、次にその肢が着地するまで)で一回呼吸します。
一完歩で一回だけしか呼吸しないのは一見、非効率のようにも見えますがこれが非常に効率的なしくみになっています。
例えば、人間が呼吸する場合は呼吸筋という筋肉を伸縮させることによって肋骨を広げて、それと同時に横隔膜を引き下げて息を吸い込みます。
肺のある胸腔の体積を筋肉の力で押し広げるのです。
そして、息を吐くときはその逆でこの胸腔の体積を筋肉の力で押して縮めて肺から空気を追い出します。
馬も立っている時や歩いているときなどは基本的には人間と同じ方法で呼吸しています。
しかし、疾走中の馬はまた違った方法で呼吸を行います。
馬の内臓は体重の約30%もの割合を占めており、馬が走る時には内臓はお腹の中でピストンのように動きます。
例えば、地面を蹴って加速がついた時に内臓は慣性によって横隔膜と一緒に身体の後ろの方に移動します。
内臓が後ろに移動することにより、胸腔が広がることによって空気が鼻から肺へと吸い込まれます。
逆に前肢が着地したときには肢に摩擦がかかるために身体にブレーキがかかり、内臓は慣性によって身体の前方に移動して肺から空気を押し出します。
競馬のゴール前でスパートする時は馬は無呼吸で走ると言われていることもあるかもしれませんがそれは間違いで、このような呼吸のしくみのために馬は一完歩ごとに必ず一回呼吸しています。
寒い冬の日などに走っている馬を観察すると吐く息と完歩のリズムが一致しているのが分かると思います。
このように馬は走る時には呼吸筋を使わなくても、無意識のうちに呼吸できるような非常に効率の良いしくみになっています。
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