【馬の豆知識】
・馬の輸送熱
乗用馬の場合だと競技会などで、競走馬の場合だとレースなどで馬は色々な場所に移動します。
馬を輸送する歴史を見ていくと、馬の輸送が始まった当初は貨物による輸送が中心でした。
その後に機能性や利便性から自動車輸送に注目が集まり、馬運車が登場するようになりました。
今現在では馬の輸送は馬運車によるものが中心となり、日本から海外への輸送や海外から日本への輸送の場合には航空機も使用されるようになっています。
馬を輸送する場合には色々な問題が出てきますが、一番気をつけなければいけないのが輸送による疾病です。
その輸送による疾病の代表的なものが輸送熱と輸送中のケガでしょう。
まずは輸送熱について見てみましょう。
輸送熱とは一体どういったものなのでしょうか?
輸送熱は輸送中や輸送後に発生する発熱を伴う様々な疾患の総称のことを言います。
輸送熱の症状の多くは呼吸器に関連し、食欲不振や元気がなくなる、または鼻水が出たり咳(せき)が出たりします。
軽度の場合だとそれほど問題はありませんが、重度の場合になると長期間の休養を余儀なくされたり、酷い場合には予後不良になってしまうこともあります。
ではなぜ輸送によって熱が上がるのでしょうか?
輸送熱の原因は呼吸器にあります。
元々、馬の気道には常在菌という菌が存在しています。
しかし、気管支や肺には常在菌は存在していません。
輸送の影響によって、これらの存在しなかった菌が気管支や肺に感染することによって気管支炎や肺炎を引き起こし、その炎症によって熱が上がるのです。
輸送熱の原因は呼吸器にあるので、その他の症状の多くも呼吸器に関連したものが発生します。
輸送熱によって重度の肺炎を起こしてしまうと馬は痩せてしまい、体調は著しく悪化してしまいます。
こうなってしまうと体調を戻すのに長期の休養が必要な状態になります。
ではなぜ、輸送によって常在菌のような普段では感染しないような菌に感染してしまうのでしょうか?
次回は輸送熱の感染と発症についてご紹介します。
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