クーリングダウンの効果

【馬の豆知識】

・クーリングダウンの効果

馬は乗馬レッスンなどの運動をする前にはウォーミングアップ、そして運動が終わった後にはクーリングダウンをするのが望ましいと言われています。

運動には疲労がつきものですが、疲れが出ない程度の運動では調教としての効果もあまり期待できません。

馬の調教の効果は疲労と回復を繰り返すことによって鍛えられていきます。

しかし、疲労を蓄積させたまま運動を続けるのも好ましくありません。

馬自身に精神的なストレスがかかるだけでなく、様々な病気が発症するリスクも高くなってしまいます。

 

クーリングダウンは運動で生じた疲労を積極的に回復させるために行う運動終了後の軽めの運動のことを指します。

主に常歩(なみあし)でゆっくり歩くことでクーリングダウンの効果として疲労回復が期待できます。

乗馬をされている方ならレッスンの終了時間に近づいてくると常歩で歩く時間が何分かあると思いますが、その時間がクーリングダウンとしての役割を果たしています。

また、運動後に馬から降りて引き運動で歩くのもクーリングダウンとして非常に効果的です。

このような運動後のクーリングダウンが疲労をすみやかに回復させる効果があることは科学的にも証明されており、歩くことで生じるリズミカルな筋肉の収縮と弛緩によって、筋肉にたまった疲労物質である乳酸などが血管を通して効率的に処理されるのです。

これは人間にとっても同じで、ジョギングなどの運動をした後はゆっくり歩くことで疲労の回復が早まることが認められています。

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【クーリングダウンには引き運動で人間が寄り添って歩くことで馬の緊張が和らぎ、人間と馬との絆も深くなる効果もある】

 

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蹄のクッション効果

【馬の豆知識】

・蹄のクッション効果

馬の蹄は人間の爪と同じケラチンというタンパク質が成分となりできています。

ただし、馬の蹄は人間の爪とは比べものにならないぐらい厚く、また適度な粘性と堅さを兼ね備えているために相当の衝撃を受けたとしても簡単には割れることはありません。

馬の蹄のクッション効果

 

サラブレッドの競走馬は時速60km以上ものスピードで走っています。

走っている時に馬の脚には1トンほどの力がかかると言われています。

サラブレッドは走っている間、脚が着地するたびに脚先はそれだけの衝撃を常に受けていることになるのです。

これだけの衝撃を走るごとにダイレクトに受けていれば乗っている騎手も馬もたまったものではないはずです。

なのに、馬は何事もなかったかのようにスムーズに走ってスイスイと前進していきます。

これは馬の体には衝撃を大幅に緩和する装置である蹄が備わっているからです。

蹄の蹄壁の内側には跖枕(せきちん)と言われる柔軟性のある組織があります。

蹄の断面

跖枕はクッション装置として重要な役割を果たしており、車で言うとエアバッグのような働きをしています。

走っている時に蹄の底面で受けた強い衝撃を左右にふくらむことで吸収し、弾力材のような効果があるのです。

さらに、この時に蹄壁も左右に広がります。

そして、跖枕で吸収しきれなかった衝撃は柔軟性のある腱で支えられた関節でさらに緩和されるのです。

この蹄のクッション効果があることにより馬も乗っている人もスムーズに走って前進することができるのです。

 

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馬の胃潰瘍

【馬の豆知識】

・馬の胃潰瘍

ストレス社会と言われる現代、ストレスが原因で発症する病気のひとつに胃潰瘍があります。

馬も人間と同じで、日々のストレスによって胃潰瘍を引き起こすことがあります。

馬の胃潰瘍は「沈黙の潰瘍(silent ulcer)」とも呼ばれており、怪我などのような目に見える症状ではないので、なかなか注目されるものではないと思います。

ましてや相手は言葉の話せない馬です。人間なら「胃が痛い」と言葉に出して訴えることができますが、馬の場合はその仕草など(食欲不振、体重減少など)から読み取るしかありません。

 

馬の胃潰瘍の発症率は高く、競走馬では何と80パーセント以上もの馬が胃潰瘍を発症していることが知られています。

ほぼ毎日のように行われる調教、馬運車での長距離の移動、月に1~2度の競馬場でのレースなどが胃潰瘍の原因となっています。

乗用馬の場合も競走馬ほどでないにしろ、胃潰瘍を発症している割合は多いと考えられており、この場合も日々のレッスンや調教でのストレスがその原因となっていると考えられています。

多くの場合は治療の必要のない程度の胃潰瘍が多いですが、治療を必要とする場合は粘膜保護作用のあるものやテレビのCMなどでもおなじみのH2ブロッカーなど色々な抗潰瘍薬が使われたりします。

人間の管理下に置かれている馬にとって胃潰瘍というのは避けては通れない病気なのかもしれません。

胃潰瘍を予防、または程度を軽減させるために、なるべくストレスを溜めないように放牧してリラックスさせたり、厩舎にイージーリスニングなどの落ち着ける音楽を流したりと色々な工夫をして馬にとって快適な環境を作ってあげることが大切だと言えるでしょう。

天高く馬肥ゆる秋

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有酸素運動と無酸素運動3

【馬の豆知識】

・有酸素運動と無酸素運動3

馬が運動する時には有酸素エネルギーと無酸素エネルギーを使い分けています。

運動時に有酸素エネルギーと無酸素エネルギーのどちらを使うかはその運動の強度によって決められます。

軽い運動なら必要なエネルギーは有酸素エネルギーのみで賄うことができるので、無酸素エネルギーは使う必要がありません。

しかし、強い運動になってくると有酸素エネルギーだけではエネルギーが足りなくなってくるので無酸素エネルギーも消費することになってきます。

具体的な運動強度で言うと秒速14m、時速で表すと50kmまでならほぼ有酸素エネルギーだけで走ることができます。

なので、乗馬での駈歩で使用するエネルギーは有酸素エネルギーで賄うことができると言えるでしょう。(障害をジャンプする時などは瞬間的に筋力を使うので無酸素エネルギーも使われることになります)

時速50km以上で走る競技である競馬の場合は有酸素エネルギーだけでは走るエネルギーが賄えないので、無酸素エネルギーも使われることになります。(しかし、無酸素エネルギーのみで走ることはなく有酸素エネルギーも同時に使われます)

 

競馬の場合はスタート直後から時速50kmを超えるスピードで走ります。

なので、最初から無酸素エネルギーも導入されることになります。

そして、運動を始めた直後が一番無酸素エネルギーの消費が大きくなります。

これは有酸素エネルギーを作るのに時間がかかるためで、まだエンジンが暖まっていないためにいきなり多くのエネルギーを出すことができないためです。

そこでバッテリーに溜めてある無酸素エネルギーを最初に多めに使うことになるわけです。

走り出して時間が経つとエンジンが暖まってきて使用できる有酸素エネルギーの量も多くなってくるので、それに伴って無酸素エネルギーの使用量も少なくなってきます。

しかし、競馬はゴールするまでは全力で走るためにその運動強度は有酸素エネルギーだけでは賄うことができないので無酸素エネルギーの消費はその後も続くことになります。

最初に速いペースで飛ばして最後の直線でバテてしまう馬は無酸素エネルギーが切れたというのが原因のひとつになっているのです。

無酸素エネルギーが切れてしまうとレースの途中でバッテリーを使い果たしてしまうことになるので、有酸素エネルギーのみで走らなければいけないのですが、それでは走るために必要なエネルギー量に足りなくなるので、最後にバテてしまうことになります。

有酸素エネルギーと無酸素エネルギー3

【競馬のスタート直後、ここでいかに無酸素エネルギーを温存できるかが勝敗の大きなポイントになる】

画像提供https://photozou.jp/photo/show/745137/215256463

 

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